みなさん、こんにちは。
いよいよ7月になり、1学期の終わりが近づいてきました。
ふと気がつくと、1学期に生徒が登校するのも今日を除けばあと10日。
本当に月日の経つのは早いものです。
お互いに一日一日を大切に過ごしていきたいですね。
さて、今回は大河ドラマ「豊臣兄弟」がらみのちょっといい話です。
今回の主役は、家康ではなくその深謀術策で徳川家を支えた本多正信です。
あるとき家康が失敗をした家来を廊下で激しく罵っていました。
そこに偶然通りがかった本多正信(家康の重臣)は、家康に「何に腹を立てておられるのですか?」と訊ねました。
家康は、口から唾を飛ばしながら、「こいつは、本当にだらしのないヤツなのだ!」と激しく怒り、その理由を正信に説明しました。
すると正信は、「誠に上様の仰るとおりである!おまえが一方的に悪い!!」と家康以上に怒りを見せてその家来を怒鳴りつけました。もともと叱られていた家来は、ますます萎縮してしまいました。
家康も、正信のあまりの怒りように思わずびっくり。呆気に取られてしまいました。
その顔を見た正信は、すかさずこう言いました。
「良いか。おまえは決して『今日はたまたま上様の腹の虫の居所が悪くて叱られたのだ。』とかは思ってはならぬぞ。上様は、おまえを大事に思われるからこそ、あえて激しくお怒りになったのである。おまえを1人前の人間にしてやろうというおこころがあるから、言わないでもいいことを仰られ、怒りたくもないのに怒ってらっしゃるのだ。」
「上様は、今は激しく怒っていらっしゃるが、おまえが今までに立ててきた武功や忠義の事を決してお忘れではないのだぞ。だからおまえも同様に、ただの一度、上様の御機嫌を損じたからといって決して遠慮するのではないぞ。この後も例え上様に対してでも、言うべきことはしっかりと申し上げ、過ちがあるなら恐れずに正さねばならぬ。それが、上様のご信頼に応えるということなのだ。」
そして、間を開けずにこう言いました。
「ところで、上様は、お怒りで大声を出されたので喉が渇いておいでだ。お茶を差し上げよ。」
叱られていた家来は、大急ぎでお茶を用意し、家康に差し出しました。
家康は、美味しそうにそのお茶を飲み干し、思わずにっこりと笑いました。
そして座が落ち着くと正信は、さらにこう付け加えたのです。
「今日からますますご奉公に励め。少しも気落ちすることは無い。上様もそのように思っておられるのだからな。」
この後、この家来は、より一層身を粉にして家康に尽くすようになりました。
正信は、素晴らしい対応をしたと思いませんか?
もし、正信が家康の怒りを恐れるあまり、この場面、無視をして通り過ぎていたらどうなっていたでしょう。激しく叱られ続けていた家来は、ひょっとしてそのうちに「そこまで言わなくても良いのに…。私は、上様の機嫌が悪いときに八つ当たりにあっただけなのではないか。」と家康を恨むようになっていたかも知れません。
逆に家臣をかばって「お恐れながら…。」と家康に反対しようものなら、家来の正信に対する株は上がるかも知れませんが、家康は、怒りの矛先を失ってますます機嫌を悪くしていたかも知れません。
結果として正信の対応は、家臣を助けたということだけでなく、家臣に対する家康の株も大きく向上させたのです。
また、もし正信が無視や家臣をかばう対応をしていたら、この叱られていた家臣は、再び叱られることを恐れて、今後二度と家康に対して進言をしたり、助言を試みたりはしなくなっていたでしょう。
いわば正信は、この対応で家臣・家康・徳川家すべてを救ったのです。
本多家と言えば我が宍粟市とも縁の深い家です。
家康、もっと言えば徳川家の屋台骨を支えた本多正信はやはり並の人物ではなかったのですね。
みなさんはこのエピソードをお読みになり、どのような感想をお持ちになられましたか?